馬でかければ 1                                                                   


馬でかければ
──阿蘇草千里──   みずかみ かずよ

ひろびろとうねる
草原の海
風が走る
波をけって
馬がとぶ
群れながらとぶ
白いたてがみがながれ
はっし はっし
わきばらをうつ
ふみしめたあぶみが
かちっと ひかる
少年の短い呼吸は
馬にかさなって
草原から大空へ
かけのぼる
ああ
白い雲

この詩を2つに分けると、後半はどこからですか? 後半の始まりの1行を書きましょう。

 班で相談させ、板書させた。

@馬がとぶ
A群れながらとぶ
B白いたてがみがながれ
Cはっし はっし
Dふみしめたあぶみが
E少年の短い呼吸は


 机を話し合いの形にして、それぞれの考えを述べ合った後、討論に入った。

B『白いたてがみがながれ』の前までは、草原の様子を書いている。
 その後からは、馬の様子が書いてある。
 『群れながらとぶ』の後に「。」をつけてもおかしくない。
D『ふみしめたあぶみが』馬が走っているところから、馬の体の一部の話になってきたからです。
E『ひろびろとうねる』から『かちっと ひかる』まで、馬が走っている様子で、『少年の短い呼吸は』からはちがうことを書いているからです。
 急に少年のことが出てきたからです。
 『少年の短い呼吸は』からは馬のことではなく、違う様子を表している。
質疑応答
「群れながらとぶ、の後に「。」をつけてもおかしくないというけど かちっとひかる、の後に「。」をつけてもおかしくない。」
「群れながらとぶ、までで1つの詩で、続きからは、後半。」
「なぜ、少年の短い呼吸は、からが後半なんですか?」
「少年が出てきたからです。」
「群れながらとぶ、からでも、馬が出てきています。」
「白いたてがみがながれ、から、馬が出てきています。」
「いきなり人間が出てきたからって、そこで切れるとは限らない。」「白いたてがみがながれ、の前までは、草原の様子です。」
「馬がとぶ、というのは、馬がとんでいる様子だから、草原の様子ではないと思います。」
「でも、草原に馬がとんでる様子も、草原の様子です。」
「馬がとんでる様子は草原の様子ではないと思います。」
「馬がとぶ、の前に、波をけって、という言葉があるから、波っていうのは、草が風でなびいている様子だから、それを馬がとんでるっていう様子。
 それに、草原を馬が走っているから、草原の様子。」
「白いたてがみがながれ、からは一頭のことで、それまでは、馬の 群れのところを表している。」
「白いたてがみがながれ、から一頭っていってるけど、群れながら とぶ、の前にも、馬がとぶ、というのがあって、一頭のことをいっています。」

 ここで、チャイムが鳴り、話し合いは、次時に持ち越した。
 前回の討論の後に、考えを変える子もいて、最終的には、次の3つで話し合いになった。

@白いたてがみがながれ
Aふみしめたあぶみが
B少年の短い呼吸は

「ふみしめたあぶみが、から強く読むから、そこからが後半だと思います。」
「強く読むからって、そこが切れ目とは限らない。」
「少年が出てきたところから、強く読む。」
「少年の短い呼吸は、も、強く読んでもおかしくない。」
「強く読むんだったら、真ん中。」
「真ん中だから、区切ってる。」
「真ん中だから、区切るとは限らない。」
「他にも強く読むところがある。」
「少年の短い呼吸は、から、少年が急に出てきたから後半。」
「それやったら、白いたてがみがながれ、からも、白いたてがみがいきなり出てきた。」
「白いたてがみがながれまでは草原の様子で、後ろは馬の様子って言ってるけど、馬にかさなって、からも草原が出てきてる。」
「草原も出てきてるけど、後半は、主に馬のことで、前半は、主に草原のことを書いている。」
「少年の短い呼吸は、からは、主に少年のことを書いている。」

論文

    A
 後半は「白いたてがみがながれ」からである。
 理由を述べる。
 まず第一に、「白いたてがみがながれ」までは、草原の様子、その後ろからは馬の様子が主に書いてある。この詩は、広い草原に少年が馬を走らせている様子の詩だ。だから、大きく二つに分けると、草原の様子と、馬を少年が走らせている様子になる。
 第二に、「白いたてがみがながれ」からは、一頭の馬に注目している。テレビの画面で考えると、「白いたてがみがながれ」までは、草原が写っていて、「白いたてがみがながれ」からは、一頭の馬を写すはずだから、場面が「白いたてがみがながれ」から変わっているということである。
 だから、後半は「白いたてがみがながれ」からなのである。
 次に、「少年の短い呼吸は」がちがう理由を述べる。
 まず第一に、量的に同じぐらいじゃないといけない。
 だから、量的にかたよっている。
 したがって、「少年の短い呼吸は」からは、後半ではない。
 以上のことから、後半は「白いたてがみがながれ」からである。

    B
 後半は「ふみしめたあぶみが」からである。
 理由は、走っているところから、馬についてある物の話になってきているからである。
 まず第一に、話が通る場合、馬の話が続くが、急に物の話になり、話を転換するからである。
 第二に、「あぶみ」というのは、物であり、馬の話をがらっと変える。そして、ここで話を変えるというのは、次に話を変えても、もう話は変わっているので、関係ない。
 だからして、後半は「」ふみしめたあぶみが」からなのである。
 次に、「少年の短い呼吸が」がちがう理由を述べる。
 まず第一に、前の第二の理由と同じで、TVで考えると、「あぶみ」は人間が足をかける物、つまりそこでもう人間は登場しているということである。
 第二に、人間が登場しているということは、そのあぶみは動いている。つまり、人間は馬に指示を与えている。つまり、人間は急には出てきていなくて、前から登場しているということなのである。
 従って、「少年の短い呼吸が」からは、後半ではない。
 以上のことから、後半は「ふみしめたあぶみが」からである。

    C
 後半は「少年の短い呼吸は」からである。
 理由を述べる。
 まず第一に、「ひろびろとうねる」から「かちっと ひかる」まで、馬が走っている様子で、「少年の短い呼吸は」からは、少年が急に出てきているからである。
 第二に、「少年の短い呼吸は」からは、馬のことではなく、少年のことを表しているからである。
 だから、後半は「少年の短い呼吸は」からである。
 次に「白いたてがみがながれ」がちがう理由を述べる。
 まず第一に、「『群れながらとぶ』の後に句点(。)を付けてもおかしくない」と言うけど、「かちっと ひかる」の後にも、句点を付けても、おかしくない。
 第二に「『白いたてがみがながれ』からは一頭のことで、それまでは、馬の群れのことを表している」と言うけど、「群れながらとぶ」の前にも、「馬がとぶ」というのがあって、一頭のことを表しているからである。
 したがって「白いたてがみがながれ」からは、後半ではない。
 以上のことから、後半は「少年の短い呼吸は」からである。